今回は5Gについてです。
自分の中で「5G」という言葉が独り歩きしていたので、まとめてみました。
また、そこから見える5G銘柄の整理もしていこうと思います。
(備忘録兼ねているのでちょっと長め!ざっくり!あとコピペ多い!)
それではスタート!
5Gとは??
5Gは、「第5世代移動通信(5th Generation)」の略語。
5Gの最大の特徴は以下の3つ。
高速大容量通信(eMBB : enhanced Mobile Broadband)
4Gの通信容量としては最大で1Gbps。
5Gでは20Gbps(下り)、10Gbps(上り)と10倍以上の容量拡大を目標としている。容量の拡大は、通信に使用する電波の周波数を上げ、帯域幅を広げることで対応。(4G:最高3.5GHz ⇒ 5G:3.7GHz、4.5GHz、28GHz)
周波数を上げると、空気中で電波は減衰しやすくなるため、アンテナ集積技術やビーム成型技術などを用いて電波を遠くまで飛ばすようにする。
電波の直進性を増すために、電波遮蔽物の陰へ回り込みが少なくなるといった問題に対しては、基地局を多くすることなどで対処。
超信頼・低遅延通信(URLLC : Ultra Reliable and Low Latency Communications)
4Gの通信タイムラグ(遅延)は10~数十[ms]。5Gでは最短1[ms]以下を目指す。
通信速度を上げることで遅延時間を短くすることは可能だが、さらなる低遅延・高信頼性を実現するための仕組みとして、「モバイルエッジ処理」を導入。
大まかに言えば、発信端末から受信端末までの通信経路を短くするという考え方。
4Gまでの通信経路は、中央センターを介するため長かった。
(発信端末→近くの基地局→中央センター→受信端末近くの基地局→受信端末)
通信経路を短くするには中央センターを通さず、端末と端末に近い基地局間(ネットワーク全体から見るとエッジ(端)として見える)だけで通信経路を確立する。
中央センターを省いてしまうと、通信ネットワーク全体として制御できなくなるので、通信を制御する信号と、利用者が必要なデータそのものの通信を分離(Controll / User分離)し、利用者が必要なデータは最短経路を通し、通信制御信号は中央センターを通して制御するという方法をとる。そうすれば、通信全体を制御しながら、利用者が必要なデータを低遅延でやり取りすることができる。
さらに、低遅延が必要なデータ通信と、少し遅延があってもよいというデータ通信を分けて取り扱うこと(ネットワークスライス)により、通信ネットワーク全体として無駄なく安定した通信を実現することを目指す。
上図では、低遅延が必要な通信経路は赤経路(ミッションクリティカルスライス)で形成され、中央のデータセンターまで問い合わせに行くこと無く、短経路を実現。
ネットワーク全体はスライス制御装置と、近傍データセンター、中央データセンターのノード制御装置とが通信しながら、ネットワーク全体を制御している。
「モノ・人などが繋がるIoT時代の新たなコミュニケーションツール」である5Gでは、監視カメラやドローンの空撮映像などの大容量データ、膨大な数のセンサーの観測データなど異なるタイプのデータ通信が混在する。
映像ストリームなどの高速大容量通信のトラフィックが急増しても、自動運転車や工場内の無人搬送車(AGV)制御のための低遅延な通信は確保し続ける必要がある。
そのために、機器制御専用の低遅 延を保証する帯域を、ネットワークスライシングによって確保することが期待できる。
運用面においては、このようなネットワー クの柔軟性の向上による「フレキシブルネットワーク化」による恩恵を受けられることが重要。
多数同時接続(mMTC : massive Machine Type Comunnications)
5Gでは、同時にネットワークに接続できる端末を4Gの100倍まで上げることを目指す。
具体的には、1[k㎡]エリアで最大100万台の端末がネットワークに接続できる環境を作る。一つの基地局で考えると、4Gでは100台程度。これを5Gでは1~2万台の端末からの同時接続を目指す。
技術は、「Grant Free方式」を用いる。
Grantとは基地局からの通信事前許可のことを意味し、通常はこの通信許可を得てから端末が基地局と通信を始める。この事前許可を不要として、多数のデータを短時間に送れるようにする。
5G実現による経済効果
5G実現による経済効果はものすごく、日本の場合、約47兆円規模になる。
5Gの活用(ローカル5G)と実証実験
5Gのユースケースは主に「都市・都市周辺部・過疎地」に分けられる。
また、5Gはもちろん従来の携帯のようにパブリックな面もあるが、ローカル5Gとしての強みが大きい。
以下は、実際に進められている5Gの実証実験になる。
これまでの課題を解決するには、有線通信設備の強化や大量のWi-Fiが必要で、費用がかさむなどの問題があったが、5Gでは基地局を設営することで問題が解決できることが強みでもあり、その用途は幅広い。
5Gの展開イメージ
10km四方のメッシュで区切って、そこに基地局等を設営、各メッシュごとで5Gのローカル運用っていうイメージですかね?エッジ処理らしい分散配置で、重要な統制は中央で行う。アジャイル設計みたいで、最近のトレンドって感じ。
日本の国土は378,000 km²なので、10km四方(100km²)のメッシュが3780個ですかね。親局が3780で、子局が増えていくイメージ。都心部は信頼性の部分から相当な数が建ちそうです。
基地局、光ファイバー、センサー系は膨大な数になりそうですね。5G対応の機器・技術が出たメーカーは相当、売上伸びるのではないでしょうか。
独自視点(スマートファクトリーと5G)
メーカー出身者(精密機器メーカーの産業機器分野)だったので、スマートファクトリーの面について少し。かなりざっくりなので注意。
インダストリー4.0
製造業界隈では、インダストリー4.0が注目されている。
機械が自ら考えて生産を行う状態を第4次産業革命(インダストリー4.0)と呼ぶ。
センサーを工場内に設置して、様々な情報を収集し、その情報を元に未来を予測して生産計画を人工知能が考える。
産業用ネットワークと5G
主に2種類のネットワークがあり、機器間のネットワークと工場全体のネットワークがある。
機器間のネットワークでは、産業用ネットワークがありPROFINETやEtherCATがある。
ここは、フィールドネットワークと呼ばれ、リアルタイム性を求められる。
ここの部分は、5Gでどうのこうの・・・という世界ではない。
リアルタイム性・タイミング同期云々に特化しているネットワークが必要。
汎用的な5Gが介入するのは、工場全体を管理するためのローカル5Gなど。
自動生産に向けて人工知能が入るのは、生産管理などをコントロールするクラウド側と、各機器をコントロールする組み込み系の部分の2箇所になると思う。
ここでは、あまり注目されていない組み込み系を少し。
代表的なのはルネサスの「e-AI」とか。あらかじめ人工知能を組み込んでおいて、リアルタイム性を保持させる。
吸い上げるデータとかはリアルタイム性をそこまで重視しないもの(故障検知・予知やロット管理など)で、システム管理側(クラウドとか)から適宜指示を出す。
近い未来は、そんな感じになると思います。
5Gの現在
大容量・超低遅延・多数同時接続の3つの特徴をもつ5G。
単に端末と基地局だけの電波のやり取りだけではなく、移動体ネットワークシステム全体としての最適化が必要であるため、課題は多い。
・高周波帯域でのアンテナ技術
・基地局と中央センター間を光通信ネットワークでしっかりと結んだ、エッジコンピューティングによる高速通信
・データを瞬時に処理するコンピューティング環境やストレージ環境
既に5G方式を商用提供している国もあるが、3つすべてを提供できてはいない。
また3つ特徴を支える技術は、さまざまな技術を駆使して、商用化に耐えるシステムとしての完成を目指して、現在も検討が続けられているのが現状。
5G実現に向けて
5Gを実現するためには、多くの課題や設備が必要になることがわかった。
・基地局
・光ファイバ
・高周波帯域での電波輸送技術
・5G向けモジュール(センサーやコントローラー?)
・5G向け半導体、デバイス(コンデンサ、窒化ガリウム(GaN))
・柔軟なクラウド設計、運用
・データセンター、サーバー etc...
よりマクロに見ていくと、5G実現に必要なものが色々ある。
まとめ
・5Gは、モノ・人などが繋がるIoT時代の新たなコミュニケーションツール
・特徴は、大容量、低遅延、多数同時接続
・ローカル5Gでの運用がすごそう
・課題は山積している
口調が変わったり、画像が多かったりですみません笑
本格展開とは言ってもパブリックになるのはだいぶ先かなと思います。
ガートナーさんも今は期待が高い時って言ってますし、しばらくしたら落ち着きますかね。
5Gの勉強の参考になったら幸いです。
ここから、銘柄を探して行くのもありかと思います。
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それでは!
参考資料
・http://www.xenix.com/asset/201906A.pdf