前回に引き続いて、お勉強の回です。
今回はPBRやROEなどの投資用語についてまとめます。
davinci-chan-5s.hatenablog.com
- PER(Price Earning Ratio):株価収益率
- PBR(Price Book-value Ratio):株価純資産倍率
- PCFR(Price Cash Flow Ratio):株価キャッシュフロー倍率
- ROE(Return On Equity):株主資本利益率
- ROIC(Return on invested capital):投下資本利益率
- ネットキャッシュ
- EV/EBITDA倍率
- DCF(discouted cash flow)法
- 予想収益率
- 参考
PER(Price Earning Ratio):株価収益率
PERは、会社の利益と株価の関係を表す。
PERが低いほど、会社が稼ぐ利益に対して株価が割安といえる。
PER = 時価総額÷純利益 = 株価÷1株あたりの利益〈EPS〉
PERは、時価総額÷純利益から算出。
株価が1株当たりの純利益の何倍まで買われているかを示す。
PERが10倍であれば、純利益の10倍まで買われていることになり、
投資した資金の回収までに10年かかると言う見方にもなる。
PERの変化としては、
株価が下がればPERも下がる。株価が上がればPERも上がる。
純利益が前年より増えればPERを下げる。前年より減ればPERを上げる。
東証一部の平均PERは約15倍ほど。
・PERの活かし方
①その会社の過去のPERや将来の予想PERと比較
PERの変化によりその会社内での割安性を読み取る
②同業他社とPERを比較
その業界平均のPERから見て割安か、割高かを比較
業界によって成長力や安定力などの違いから平均PERは異なる。
注)IT関連の銘柄は成長力期待が強く、PERが高い。PERが高すぎる銘柄は成長がついてこないことがわかった時に、急落する恐れがある。
PBR(Price Book-value Ratio):株価純資産倍率
PBRは、会社の純資産と株価の関係を表す。
企業の持っている株主資本(純資産)から見た株価の割安度がわかる。
PBR=株価÷1株あたりの株主資本<BPS>
1株あたりの株主資本(BPS)=株主資本÷発行済み株式数
株価が下がればPBRも下がります。BPSが上がればPBRは下がる。
PBRは「1倍」というのが評価基準。
理論上はPBRは1倍を下回らないと考えられ、PBRが1以下の会社は割安性が極めて高いと言える。
仮に会社が解散した場合、総資産から支払い義務のある費用を全て支払い、残りは株主の物となり、PBRが1以下の株式会社が解散した場合には、株主が儲かる。
業績が良いのにPBRが低い場合は、解散価値(PBR)が意識され、株価の下支えの要因になる。
注)PBR0.1倍のように異常に低い場合、財務が悪く株価が下がっている可能性がある。バランスシート上の純資産と、資産の実質的価値には乖離がある。
PCFR(Price Cash Flow Ratio):株価キャッシュフロー倍率
PCFRは、株価が1株当たりのキャッシュフローの何倍に当たるかを見る指標。
好業績の企業が、設備投資を積極的におこなった場合、減価償却費が増える。
その結果、利益を押し下げることになり、PERが上昇。
PCFRは、このねじれを修正する指標になる。
PCFRが低いほど『株価が割安である』といえます。
PCFR(株価キャッシュフロー倍率)=株価÷1株あたりのキャッシュフロー
1株あたりのキャッシュフロー=営業キャッシュフロー※÷発行済み株式数
ROE(Return On Equity):株主資本利益率
ROEは、企業が株主資本(自己資本)に対して、どれだけ企業の利益(収益)につながったのかを示す指標。
ROE=当期純利益÷株主資本
(1株あたりの利益(EPS)÷1株あたりの株主資本(BPS))
1株あたりの利益(EPS)=当期純利益÷発行済み株式数
1株あたりの株主資本(BPS)=株主資本÷発行済み株式数
株主資本とは、株主が出資した資本とそれを使って生まれた利益の合計。
貸借対照表の「資本の部」を指し、自己資本のこと。
ROEが高いほど株主資本を効率よく使い、利益を上げていると言える。
収益を上げていても、投資先がないと会社にお金がたまり、ROEは減少する。
注)自己資本比率の低すぎる企業は、ROEが不自然に高くなる場合がある。
その場合、高ROEは効率的経営ではなく過小資本を表している事が多い。
注)ROEの高い企業はPERも高くなりやすく、単独で指標として用いるのは危険。
バフェットは、ROE15%以上の企業に投資せよと言っている。
注)「PBR=PER×ROE」で表され、PBRが低いとROEやPERも低い可能性が大きいため、注意が必要。
ROIC(Return on invested capital):投下資本利益率
ROICは、資本(IC)に対して、本業でどれだけの利益を出せたかを測る指標。
ROIC= NOPLAT÷投下資本(IC)
=(経常利益×0.6)÷(株主資本+有利子負債)
≒(経常利益×0.6)÷(棚卸資産+有形固定資産+研究開発費+不動産の保証金)
NOPLAT(経常利益から税金(約40%)を引いたもの)を投下資本(IC)で割ることで算出。
営業利益からの数字を引っ張ってきているため、本業で稼ぐ力をよりよく表している指標であるといえる。投下資本(IC)は「株主資本+有利子負債」で表される。
資産ベースで投下資本を考えると、
固定資産+運転資金(売上債権+在庫-支払債権)
負債ベースの場合、
株主資本+流動負債の有利子分+固定負債の有利子分+少数株主持分
例)営業利益:1億円 税率:40% 株主資本:5億円 有利子負債:1億円の時
NOPLAT=営業利益×(1-税率)=1億円×60%=6,000万円
投下資本=株主資本+有利子負債=5億円+1億円=6億円
ROIC=NOPLAT÷投下資本(IC)=6,000万円÷6億円=0.1=10%
ネットキャッシュ
企業の手元流動性(現金・預金+有価証券)から有利子負債を差し引いた金額
キャッシュリッチ(金余り)の度合いを示す。
ネットキャッシュ=(現金・現金同等物+有価証券ー有利子負債)
ネットデット = ネットキャッシュ×(-1)
時価総額をネットキャッシュで割ったネットキャッシュ倍率(倍)が小さいほど、
キャッシュリッチとして蓄えた現・預金が有効に活用されていない企業として、
M&Aなど企業買収の候補にもなりやすく、株式市場で注目されることが多い。
ネットキャッシュが時価総額を超えていると、M&Aの対象になり易い。
(時価総額/ネットキャッシュ)≦2/3の条件を満たす株式を
ベンジャミン・グレアムは、ネット・ネット株と呼んだ。
EV/EBITDA倍率
・EV(enterprise value):企業価値
会社が生み出す将来のフリーキャッシュフローを割引いた現在価値のこと。
EV = 時価総額 + ネットデット
・EBITDA(Earning Before Interest Tax,Depreciation,Amortization):利払い前・税引き前・減価償却前利益
国際的な企業価値を比較・評価する場合、控除前利益であるEBITDAが指標として利用される。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費
EV/EBITDA倍率とは負債を含む企業の完全買収コストの回収にかかる年数を示す。
M&A(企業の合併・買収)における評価指標として使われ、5以下で割安、10以上で割高。
DCF(discouted cash flow)法
DCF法とは、将来見込まれるフリーキャッシュフローを現在価値に置き換える方法。
年数が先である程、現在価値は低くなる。
成長率が0%と仮定される場合、教科書的には(等比数列の和です)
PV(収益力の現在価値)= C(フリーCF)/ r(割引率)
割引率は5〜10%を使用するのが一般的、 高い割引率を使用すると安全域が広くなる。
PV = C/ (rーg)
成長率をg%。
しかし長期成長率などは不確実な数字で、割引率には幅があるためにかなりの高値を肯定してしまうことに注意。
予想収益率
割安成長株を得意としたバリュー投資家が愛用した指標。
予想収益率 =(長期成長率+配当利回り)/ PER
予想収益率が1以下なら割高、1.5程度で◯、理想的には2以上のもの。
同じ様な指標にPEGレシオがあり、
PEG = PER / 利益成長率
ほぼ予想収益率の逆数と同じで、PEG<0.5でかなり割安。
参考
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